ホシニジ。

この素晴らしい世界でほら、君のことを見つけた。

感覚の世界に住む天才

「この絵は本当にリーダーが書描いたものなの?」
嵐ファン駆け出しの頃の私が前作を初めて見た感想でした。

あれから7年。嵐を見つめてきた時間も経験も知識もその当時とは比べものにならないくらいになりました。

ついにFREESTYALE Ⅱが発売されましたね。

大野智の絵はすごい』そんなことが今や世間に定着しつつある現在、私たち待望の次作がやってきました。

「相変わらずクオリティーがすごすぎて、大野さんの表現が異次元すぎてわからない。わからないけどすごい。とにかくすごい。」

幾体ものフィギュアと絵が収められた『FREESTYLE Ⅱ』はやり私の想像の遥か上をいっていました。というか、芸術に関してこれっぽっちの知識もない私にとっては、ただ「すごい」としか言いようがなかったです(笑)

普段多くを語らない大野さんが描く絵たち。

インタビューでは「何も考えずにただ描きたいものを描いてる」と語った大野さんだけど、ファンの立場からすると、彼の作品たちは言葉数少ない彼の貴重な自己表現のツール

作品を見ても、インタビューを読んでも感じたのは、奈良美智さん、伊藤若冲、草間やよいさん…などアートの仕事として出会った方々の影響をとても強く受けている、ということ。

それほど彼らとの出会いが彼の人生において財産となったんでしょう。

今まではやらなかった“何回も塗り重ねていく”という作業も、“ひたすら点を描いていく“という作業も大野さんの作品においては大きな変化。

さらに言うなら、教えてもらってすぐにできてしまうところが、大野智が天才たる所以だろう。

いろんなものを着せられている『サイトウくん』は実に大野さんらしく、「アートを楽しむとはこういうことか」と妙に納得しました。

ファン的にはステージ上に並べられた5つのフィギュアと、某隙間産業二人組のフィギュアには(いろんな意味で)感動。

それとは打って変わって、震災後に書いたという『ちょんまげ』は、作品以上のものを感じました。

ふんどしをした子供。

その裏には数えきれない無数の点が描かれている。

まさかそんな意図があったとは。

芸能人として、表現者として、この世界に20年いる人はやはり表現の深さが違う、そう、ひしひしと感じました。

きっとこの絵を完成させるには莫大な情熱と想いが必要だったはずです。その莫大なエネルギーを日々その体の中に秘めているのだと確信しました。

インタビューは時系列を追っているので、仕事の時期がわかりファンにとってはすごく興味深い。雑誌でたまに話してはいたけど、正直、そこから彼の葛藤や苦悩にまでは思い至らなかったです。

「この絵を描いていたときにはこういうことを思っていたんだ」次々と明らかにされる本心。

やはり大野智にとって絵とはまさに“自分自身”なのだと見る側にもわかりました。

「好きなものを好きなだけやる。」という言葉に勇気をもらった人間としては、前回のインタビューは好きすぎて落ち込むたびに見ていました。

そして、今回も前作に劣らずたくさんの元気をもらった言葉たちでした。

大好きな絵を仕事として責任を背負って描かなければならない、そんな葛藤を乗り越えて生み出された作品たちは紛れもなく大野智のものでした。

そんな中、強く胸を打たれたのがメンバー4人の祝辞でした。

正直、対談の内容なんて大したことは書いてないです。(ごめんなさいw)

要するにメンバーからのお祝いの言葉が様々な表現で書かれているだけ。(ファン的にはそれで大満足)

私の胸を強く打ったのは、大野さんの希望に応え、真剣に大野さんの似顔絵を4人が描いたという事実に対して。

絵に対する葛藤を一番身近で見てきた4人にとっても、2度目の個展開催は自分のことのようにうれしかったんでしょうね。

その思いが対談からも真剣に描いた絵からも十分に伝わってきました。

普段ふざけるのが大好きな4人が真剣に描いた絵は、いつも一緒にいる大野さんへの大きな愛に満ち溢れていました。

それを受けての「うれしい」と「ありがとう」には、想像もつかないほどの強いつながりが見えました。

「この4人がいる嵐の一員なんだな」そう語る大野さんはこの上なくうれしい顔をしていたに違いない。

ずっと苦楽を共にしてきた大好きなメンバーからの餞(はなむけ)に、私も不意に涙が流れた。

これから開催される個展はすでにチケットが完売している。本来「ファンの子たちの喜んでくれる顔が見たい。」そう本人が語った言葉は、その通りに実現するのではないでしょうか。私とは違う次元に住み、己の感覚を信じて生きる大野さんはやっぱり神様みたいな尊い存在に思えました。そんな彼の願いがひとつでも多く叶うことを願って。

(2015年7月27日 前ブログにて投稿)