ホシニジ。

この素晴らしい世界でほら、君のことを見つけた。

私がジャニーズを好きな理由

アイドル戦国時代と言われる昨今。今や様々なアイドルが三次元にも二次元にも存在する。見ての通り、私はそんな数あるアイドルの中でもジャニーズが好きだ。しかし、アイドルはたくさんいるのだから自分好みの顔ならば、別にジャニーズじゃなくてもいいだろう(ちなみにジャニーズ以外の私の好みの顔は、福士蒼汰くんや千葉雄大くん)。歌って踊る人がいいならばジャニーズじゃなくてもたくさんいる。それこそ、三次元だけではなく二次元にも。たまに友達から紹介されるアイドルのDVDを見ても、友達がハマっている二次元のアイドルを見ても、ジャニーズを見ているようなワクワク感や幸せを感じられない。どうやら、私はジャニーズじゃないとダメらしいのだ。典型的なジャニオタだが、じゃあ逆にジャニーズの何がそんなにいいのだろう、とずっと考え続けてきた。そして、ついこの間、ひとつの答えを見せてくれたきっかけがあった。

『Born in the EXILE三代目 J Soul Brothers の奇跡~』というドキュメンタリー映画を見てきた。しかも、初日の舞台挨拶中継回に。というのも、私の母がEXILE系グループの大ファンで、母はLDH娘はジャニーズと、歌って踊る男たちを見るのが大好きな親子なんです。さらに言うなら、嵐に出会う前、私は大のEXILEファンだった(しかし、オリメンから増員したのをきっかけに離れてしまったが)。きっかけはめちゃイケオカザイルだった(もともとめちゃイケのファン)。あの放送からダンスを覚えるくらい何度も見たほど大好きだった。EXILEや三代目のコンサートは毎年行っている。

何が言いたいかというと、そのドキュメンタリー映画を見た感想とLDHグループのコンサートの感想をもとになぜジャニーズが好きか探っていくが、決して三代目のことを嫌いなわけではないし、劣っているとかそういうことを言いたいのではないということをご理解いただきたい。

その映画は主に去年行われた三代目のツアーの舞台裏について描かれている。大ヒットを生み社会現象ともなった『R.Y.U.S.E.I.』が世に放たれてからの三代目を象徴するように、このツアーは今までで一番レアなチケットとなった。毎公演が大熱狂で会場に充満するエネルギーは、日本で行われたコンサートの中で1番と言っても過言ではないだろう。その裏で、7人のメンバーは飾ることなく、三代目としての夢に向かってマイペースに歩んでいた。

私はその『BLUE PLANET』ツアーのさいたまスーパーアリーナの公演に入らせてもらった。ほぼ天井席みたいなところだったが、『LET'S PARTY』や『BURNING UP』で騒ぎまくり、『R.Y.U.S.E.I.』では狭い座席でランニングマンをキメた私は終演後、喉が枯れヘトヘトになっていた。

PVが話題になった『Eeny,meery,miny,moe!』は、PVと同様にスタンドマイクを使ってのパフォーマンス。タキシードを着て、ハットを被り、背後からの眩しいライトに浮かび上がる7人のシルエットにはかっこよすぎて震えた。マイケルをオマージュしたような演出もあり、このセトリの中では一番好きな演出になった。

盛り上がるだけが三代目ではない。この曲は経て次はボーカルの臣くんのソロ『Link』と隆二のソロ『All LOVE』。バックにはダンサーもつかず、ステージ上に本当にたった一人、スポットライトを浴びて真ん中に立つ。武器は己の歌声だけ。さっきまでの豪華な演出の欠片もないシンプルなステージ。だけど、2人が放つパワーは尋常ではなかった。まるで、自分のすぐ目の前に世界で一番愛おしい人がいるかのように、その愛おしい人に全力で愛を歌うふたり。もちろん、彼らの目の前に広がるのは、無数のファンとフラッグなはずなのに、私の胸にはふたりの狂おしいほどの恋情が迫ってきた。

その後、盛り上がるナンバーを経て今度は二人のバラードのデュエット。再び、二人とも目を閉じ狂おしいほどの恋を歌う。まるで、信じられるのはお互いだけ。己の声でしか時代は拓けない。そう語っているようだった。でも、二人の背中の後ろには、オーディションで勝ち残れなかった無数のライバルの夢と、メンバーの夢、とにかくいろいろなものを背負っているように見えた。けれど、それは決して嫌なものではなく、ステージに立つ選ばれた者が背負うべき証のように見えた。そんなボーカル二人の姿が一番印象に残った。

大熱狂だった怒涛のラストは、三代目が人気であることに納得できるくらいの昂揚感に包まれた。

この映画ではその舞台裏が描かれている。オーディションで勝ち残った二人と同じように、ダンサーチームだって元は普通の“ダンスが大好きな若者”に過ぎなかった。リーダーでもあるNAOTOさんはLDHに入る前、さいたまスーパーアリーナの建物のガラスを鏡代わりにしてダンスをしていたエピソードを語っていた。大阪出身のユーモラスな健二郎くんは、お父さんが病気になったと明かしていた。ちょっとイカツイELLYが実は自分のキャラをどうすべきか悩んでいたし、もう一人のリーダーであるNAOKIは誰よりも優しくて、ずっとグループのことを考えている人。そして、甘いルックスが大人気のがんちゃんは、劇中、「ときどき自分がなんなのかわからなくなる」と語っていた。慶應のダンスサークルのサークル長であった彼が、それまでのイカツイキャラを封印し、王子様系でみごとブレイク。ツアー中一番忙しかったのは間違いなく彼だった。そんな彼がこぼしたその言葉には、人気者だからこその迷いや葛藤があった。

お客さんを喜ばせるためのエンターテインメント、裏に隠された努力と不安、葛藤。それはまるっきり私が大好きなジャニーズの人たちが持つものと一緒だった。歌もダンスもやる。最近で俳優活動も盛んだ。事務所単位の交流だってジャニーズに劣らない。では、なぜ私はそんなにもジャニーズが好きなのだろうか。

それはこのドキュメンタリー映画自体に隠されていた。LDHのグループのコンサートDVDには必ずこのようなドキュメンタリー映像の特典がある。どのようにしてコンサートがつくられたか、あのときメンバーは何を思っていたか。ありがたいほどにすべてが詰まっている。しかし、ジャニーズはあまりドキュメンタリーをやりたがらない。最近やっと舞台裏が見られる機会が多くなってきたが、一昨年、NHKで放送された嵐のドキュメンタリーがすごく新鮮に感じた。ジャニーズはすべてを明かさない。いわゆるいい意味でのグレーゾーンが他のアーティストより多い。恐らくそれが理由なのだろう。一部しかわからないからこそ、雑誌のインタビューを深読みして「今、こう思ってるんだ」と勝手に解釈したり、「あのとき実はあんなことがあったんだ」と後から知ってそのときを振り返ったりする。「事実はこうです」とすべてがわかるより、自分の意見や想像の入る余地があったほうがいい。言い方はアレだが、そのことによって自分で好きなように好きなアイドルを作ることができる。ジャニーズの人がもたらすその余地が私は好きなのだ。

さらに、ジャニーズの人たちはそれぞれキャラがある。多少、自分の素から離れていてもそのキャラを演じる(そこから見え隠れする本心を探るのが楽しい)。でも、LDHの人たちはなるべくキャラを持たない。バラエティーを見ていると、ジャニーズは芸能人という感じがするが、LDHはいい意味で身の回りにいる普通の人が番組をやっていますという感じがする。

それはなぜか。簡単だ。LDHに所属している人たちは芸能人になるためではなく、プロのパフォーマーとしてこの世界にいるから。私が臣くんと隆二に感じた胸に胸に迫るほどの歌声や、他のアーティストとは一線を画するキレッキレのダンスパフォーマンスは、すべて彼らがプロであるからできることだ。さらに言えば、もともとそれが大好きだから。ジャニーズは違う。ダンスや歌一本で勝負している彼らと比べて、ジャニーズは歌もダンスもやる。そりゃ敵うはずがない。でも、私はそれが好きだ。大好きな人の歌ってる姿も踊ってる姿も見たい。さらには、演技してる姿も。次はどんな姿を見せてくれるんだろう、そう思うとワクワクする。

だから、私はジャニーズが好きなのだ。

今のエンタメ業界は文字通り戦国時代だ。みんなが自分にしかない色を必死に探している。そんな中でいろいろなことに挑戦して、いろいろな姿を見せてほしい。どうやっても見えないその人の本当の姿をこれからも追いかけ続けたい。

やっぱり私はジャニーズが大好きだ。