ホシニジ。

この素晴らしい世界でほら、君のことを見つけた。

アイドルと「東京」

ここ最近「東京」というものについて考えさせられることが多くなった気がします。すべてのきっかけは天才・錦戸亮なんですけど。

そんなこんなで関東地方に住む、都会でもなくど田舎でもない中途半端な地理的条件の中で生きるオタクの視点から、関ジャニ∞と嵐を軸として「東京」を観察してみたいと思います。

◯Tokyoholic(関ジャニ∞

今の彼らの心の叫びといっても過言ではないくらい"今の関ジャニ∞"が詰まった当曲。NOROSHIのPV特典でインスト曲として誕生したこの曲はエイタメで初披露され、なぐりガキBEATのカップリングとして収録。発売してからこの曲の考察ブログが散見されるほどエイターの間では話題に。

作詞作曲は我らが天才・錦戸亮。関ジャムで培った知識を活用して、これまでにないロックでお洒落で、だけど関ジャニ∞らしい曲が生み出されました。亮ちゃん天才。

I'm so damn hungry…

満たされへんまま ただ消化してく everyday

Why are you so mean to me? 

そんなはよ歩かれたら姿も見失うわ

やすくんの歌う「そんなはよ歩かれたら姿も見失うわ」、すごく怒ってるのがいい。

Tokyo! 物語の始まり

Tokyo! 淡い夢抱いたり

Tokyo! 甘い罠に嵌ったり

Tokyo! 時にゃ踏んだり蹴ったり

Tokyo! みんな似たり寄ったり

Tokyo! 日々是綱渡り

Tokyo! 本当のとこやっぱり

もう I don't like you Tokyo!!

大阪でオーディション受けて晴れてジャニーズに入った彼ら。次第に東京で仕事ができるくらい人気者になる。関西で生まれ育った彼らも仕事のために故郷を離れ、東京で一人暮らしをする。売れたいとか一番になりたいとかそういう夢を持って。

だけど、芸能界の闇を見たり大勢のJr.のシビアな格差に苦しんだり、個性が見つからずに悩んだり。「次の仕事はあるのか」という漠然とした不安に駆られながら「東京」で生きてた彼ら。

アイム ソー ダム ハングリー

満たされへんまま また消化してく エビデイ

Why are you so mean to me?

そんな上から見んなやこっちも必死なんじゃ

「そんな上から見んなやこっちも必死なんじゃ」ってたぶんJr.のときも今も心から叫んでるんだろうな。

Tokyo! ここじゃみんな強がり

Tokyo! 見栄っ張りの集まり

Tokyo! 気を抜きゃすぐ置き去り

Tokyo! また行き当たりばったり

Tokyo! こんな自分にうんざり

Tokyo! きっと右肩上がり

Tokyo! 根拠なんてさっぱり

もう I don't like you…

体力的に精神的にしんどくても仕事のためなら「ノー」とは言えずに、ライバル達はすぐ追いついては追い越されて息つく暇もない。なにも考えずに仕事をする日があれば家に帰って猛省してたかもしれない。そんな自分が大嫌いになった日もあったかもしれない。だけど、「絶対に売れてやる」って希望は捨てず…、嫌いだからって逃げ出せないこの「東京」で。

Tokyo! 終わらない物語

Tokyo! 眠らない街明かり

Tokyo! ふと見上げた月明かり

Tokyo! 何故か涙こぼれたり

Tokyo! 温もり寄せ合ったり

Tokyo! こんな唄歌ったり

Tokyo! ここはまだまだ始まり

だから I can't hate you Tokyo!!

星の光さえ届かないこの街で、ふと故郷を思い出しては懐かしさと恋しさと不安と苦しさで涙したり、だけど何かを成し遂げたあとにこの街で飲むお酒の味と仲間は大好きで、やっぱりこの街でしか味わえない感動がたくさんあって。知ってるのはこの街のほんの少ししかなくて。夢を見て追いかけることを受け入れてくれる、葛藤も欲望も感動も疲弊も全部全部飲み込んでくれる、この「東京」は憎めないよ。

 

と、まぁTokyoholicの私なりの解釈をひとしきりしたわけですが。たぶん亮ちゃんの言いたいことの1割も私は理解できてないんだろうな。

東京はなんでも揃ってるしいろんな人がいる。便利だし、どんなことでも飲み込んでくれる。だけど、生まれ育った場所の温もりとか懐かしさだけは東京にはない。

関ジャニ∞は帰ることができる故郷があるから、この東京で息ができるのかななんて思いました。

 

さて、次にこの人たちの対極にいる人たちの話をしましょう。ここで言う対極とは「帰る場所がなく東京でしか生きられない人たち」。要するに嵐のことです。

 

嵐で東京について歌った歌と言えば言わずと知れた"Tokyo Lovers Tune Night"。2002年のカレンダーにはない夜。デジャ・ビュを二人は同時に感じたあの夜。

……ではなく、今回は"復活LOVE"の話をしようと思います。歌詞を隅々まで見ても「東京」を感じる箇所はどこにもないです。

私が注目したいのは復活LOVEのコンサートの演出。先日発売された『ARASHI LIVE TOUR 2016-2017 Are You Happy?』でも、『ARASHI "Japonism Show" in ARENA』でも、復活LOVEの時の後ろのモニターには"東京タワー""首都高""ビル群"が映し出されていました。

嵐のコンサートはセトリから照明からバンドまで全てに松本潤が携わっています。もちろん映像も。ということは潤くんが、嵐が(嵐においては常に個人の意向はグループの意向に基づいている)「復活LOVE=東京」だと認識している。東京の街並みをバックに歌い踊る5人の姿に違和感がないのは、嵐が紛れもなく"東京の人"だから。

嵐は東京の魅せ方をすごく知り尽くしているグループだと思います。葛藤も欲望も感動も疲弊も全部全部飲み込んでくれるこの街で生まれ育ち、この街で夢を追いかけて仕事をする。綺麗の分だけ汚いも抱えるこの街で、疲れたとしても帰ることができるのは同じこの街だけ。ときにすごく酷なことだと思うんですこれ。忘れられることなんて東京にいる限りないだろうから。

だけどDVDで見たように嵐はそんな東京をキラキラしたものに、憧れのままで見せてくれる。「いってきます」も「ただいま」も「おかえりも」もこの街でしか言えないから。

 

東京を嫌いになれず東京中毒になる関ジャニ∞と、東京で生まれ育ち東京でしか生きられない嵐。アイドルにもそれぞれの"東京"があるんだなと思いました。

別にどちらがいいとか悪いとかじゃなくて、そんな風に影響を与える"東京"って興味深いなという東京でも大阪でもない場所に住む私が考察してみました。