アイドル楽曲の魅力といえば全員が同じ歌詞、同じメロディーを歌うユニゾンでグループの一体感を味わうことができること。
でも、もう一方で、ソロパートでその人個人を味わうのも同じくらい魅力的なことだと思う。歌い方にはその人の性格がストレートに出ているような気がする。
しかし、9人という大人数グループである彼らは、ソロパートをもらうこと自体難しく、平等にもうらうこともなかった。ずっとソロパートをもらい続けている人、最近ようやくソロパートをもらえるようになった人。
それがなぜなのか、その人の歌い方で何がわかるのか、研究していきたいと思う。
1.研究対象 今まで発売されたシングルのA面
2.研究方法 ソロで歌っている歌詞パートをカウント(合いの手、フェイクなども含む)
【薮宏太】
初期からソロパートをもらい続けている人のひとり。
Jr.時代の人気と安定した歌唱力が評価されている結果だろう。グループ結成後も一定の人気を獲得している証拠でもある。
かっこいい曲(真夜中のシャドーボーイ、Ride with Me[以下RWM]など)にソロがある場合が多く、かわいい曲(Romeo&Juliet、Chau#など)ではあまりソロがない。さらに、ソロは2番にある場合が多く、長さも比較的短めである。
殺せんせーションでは、1度もソロがなかった。
しかし、いつも短いというわけではなく、ここぞというビシっと決めたいときや、歌唱力が必要な場面(Dreams come true、キミアトラクションなど)ではほとんどの確立で彼のソロパートがある。
声がよく通り、高い音も低い音も出る。音程も安定していて、とにかく存在感のある声。表現力も安定しており、ファルセットもなんなく歌いこなす。難しい音階も歌えているので、要所での起用には納得である。
JUMPの芯となるような声の持ち主である。
【高木雄也】
初期は比較的ソロをもらっていたものの、中期(Romeo&Juliet~Come On A My House[以下CMH])ではほとんどソロがなくなり、最近になってまた増加の傾向が見られる。
その背景に人気の推移が見て取れる。初期では『ごくせん』の影響で人気を誇っていたが、中期ではその人気も一時衰退。しかし、最近になってまた俳優業が目立ち、その影響でソロが増えたように推測できる。
彼のソロはもっぱらかっこいい楽曲(真夜中のシャドーボーイ、ウィークエンダーなど)での起用が多く、彼が初めてソロパートを歌ったのも『Your Seed』というかっこいいものである。
また、中島裕翔とともに出演したドラマ「水球ヤンキース」の主題歌である『明日へのYELL』でのソロパートも多い。
世間のイメージ通り、歌い方が色っぽく、任される歌詞も二枚目な路線のものばかり。しかし、ユニゾンになると、他のメンバーとの歌声にうまく溶ける、JUMPの歌声の潤滑剤のような声の持ち主のひとり。
【伊野尾慧】
最近になってようやく人気が爆発してきた彼が初めて手にしたソロパートは、なんと11枚目のシングル『RWM』だった。これはデビュー6年目のことである。
ちょうど大学を卒業し、アイドル1本で仕事をし始めた時期と重なる。その後は右肩上がりでソロパートが増えていき、人気が爆発した2015年のシングル『キミアトラクション』では彼史上最多の6回を記録した。
見た目のかわいさで人気を博している彼は、歌声もかわいく、まるでアニメや女の子のようなかわいらしい声を持っている。地声での高音の領域が広く、グループ内1かもしれない。声がよく通り楽曲に明るい雰囲気をもたらしている。
JUMPにおいてポップで甘いメロンソーダのようなかわいらしいアクセントになっている。
【八乙女光】
初期からソロパートをもらい続けている人のひとり。
Jr.時代から安定した人気を獲得しており、デビュー後もそれが継続した結果とみれるだろう。しかし、中期(Romeo&Juliet~SUPER DELICATE)ではなくなっている。
また、彼のパートの特徴としてRapが挙げられる。デビュー曲『Ultra Music Power[以下UMP]』ではサビのRapを担当しており、それからことあるごとに彼はRap担当としてJUMPの楽曲を支えてきた。自分が主演したドラマ「ダークシステム~恋の王座決定戦~」の主題歌である『AinoArika』では自らRapを作詞した。
彼の表現力はピカイチであり、曲調に合わせて様々な歌い方をしている。音程が正確で歌唱力が安定している。
Rapで支えながらもその歌唱力でJUMPの歌声の芯のような存在である。
【有岡大貴】
初期はソロパートがほとんどなかったものの徐々に獲得していった実力タイプである。
それはほぼ人気と比例しているように思える。
そんな中、彼のパートが劇的に増えたのが『RWM』だった。大きな要因は、彼がRap担当に加わったからだろう。さらに、この楽曲は山田涼介とともに出演した「金田一少年の事件簿」の主題歌であったことも挙げられる。同じく「金田一少年の事件簿neo」の主題歌であった『ウィークエンダー』では合いの手での活躍が目立った。
隠れた努力家である彼らしく、月日を重ねるごとに歌唱力が向上している。
表現力、音域、正確さ、技術力等、JUMPの中の総合的な歌唱力は彼がNo.1なのではないだろうか。
その優しいけど芯の通った声は、グループの歌声のバランスを絶妙に保ち全体を包み込む、JUMPにとってなくてはならない潤滑油となっている。
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ひとまず、前半はこれにて!
後半は7ちゃんのパートを大解剖します!
(2015年11月25日 前ブログにて投稿(一部編集))