ホシニジ。

この素晴らしい世界でほら、君のことを見つけた。

ジャニーズと映画

みなさん、どーも。ひさびさの考察記事です。今回は友人からの依頼で「ジャニーズと映画」をテーマにブログを書いてほしい!と言われたので、その友人には最大級の感謝をしつつ需要があるかどうかわかりませんが書いてみようと思います。

今回はジャニーズが映画にもたらす影響を明らかにしたいので、【ジャニーズが出ている映画(主に主演映画)】と【ジャニーズが出ていない映画】を比較しながら考察していきたいと思います。またわかりやすいように時系列で追っていきたいと思います。

①オファー段階

映画製作の話が持ち上がり、製作チームが主演は誰だ、監督はどうするかなど基本的な事項を決めていく段階。

【ジャニーズが出ていない映画】

主に俳優さん、ということになります。キャラクターと合っているかどうか、その人が持ち合わせている話題性などを考慮してオファー。

【ジャニーズが出ている映画】

ここでの大きな違いは、スケジューリングです。グループにもよりますが、ジャニーズの本職はあくまでも"アイドル"なので、バラエティやコンサートなど、俳優さんとは違い撮影期間は撮影のみ、ということにはいきません。映画の撮影は通常1ヶ月半〜2ヶ月、長くて3ヶ月になりますが、ジャニーズが出演(とくに主演)する場合はなかなか大変なスケジューリングになります。

②世間へ向けて第一報を発表

オファー段階から主演、その他キャスト、監督、脚本、撮影期間、スケジュール、など映画に関わる諸々を決め、脚本も出来上がり「いよいよ撮影!」という時期に、新聞で発表されることが多いです。また、世間から一番最初の評価がわかるときでもあります。

【ジャニーズが出ていない映画】

人気の若手俳優が主演でもない限り、すんなりとTwitterのTLを流れていく場合が多いですね。あとは、原作が大変有名で人気な場合は、原作のファンの方が「この人じゃない」「あ〜この人ね」と物議を醸している場合。

【ジャニーズが出ている場合】

とにかくファンが騒ぎ立てまくります。この時点でジャニーズが出ていない映画とは話題性に大きな違いがあります。「◯◯くんが映画!やったー!絶対見に行く!」「◯◯くんの映画の原作買ってきたよ!」など、すでに多少の経済効果があります。

これが内部事情だとしたら、外部はどうでしょうか。私の知る限りまずプラスなイメージはないですね(笑)とくに原作が漫画とかだとひどい。というか、漫画原作のファンの方々は実写化自体を嫌うので、それがジャニーズだろうと普通の俳優さんだろうと受け入れる人は少ないですよね。(かく言う私も大好きな小説が映画化されると聞いたときは相当にキレました(笑))

でも、ジャニオタとしてここは1つ言わせてほしい。ジャニーズには演技が上手くないのに演技のお仕事をしている人もたしかにいます。私たちファンから見ても「お、おぅ…、まじか…」っていう人はたしかにいます。でも、賞を受賞するくらい演技が上手い人がいることも事実です。海外の映画祭に出展された作品の主演からアカデミー賞、ハリウッドまで。だから、「ジャニーズ=演技が下手」とひとくくりにしてほしくないんです。ちゃんと一人一人を見て評価してほしいんです。……以上、ジャニオタの主張でした(笑)

③撮影

いよいよ撮影。天気にスケジュールに左右されながら撮影。監督によってはあっさり終わったり、朝までかかったりとまちまちですが、とにかくここで映画のほとんどが決まります。私的に一番重要なのは監督、スタッフも含めた演者同士の関係性だと思います。現場の雰囲気がいい映画は、それが作品にも出ます。

【ジャニーズが出ていない映画】

この辺はあまり詳しくないんですが、順調に進むことでしょう。何せ本職なので。あとは天気とかそういうところとの相性ですね。

【ジャニーズが出ている映画】

本人にとっては忙しい日々の始まりです。バラエティ→映画→ラジオ→映画→雑誌→映画→コンサート……。休みなんてない、ある意味地獄の日々ですね。改めて、こんなにたくさんのことを抱えながら日々を生きているなんて、本当に頭が下がる思いです。

あと、撮影期間のジャニーズ特有の問題と言ったら、ロケを見に来るファンじゃないでしょうか。Twitterで1度「◯◯が△△で撮影してる!」なんてつぶやかれたらあっという間に人だかりです(実際に嵐主演映画「ピカ☆★☆ンチ LIFE is HARD たぶん HAPPY」の撮影時には、ロケ地に人が集まりすぎて、近隣の方からクレームがきたという事件があります)。話題性・知名度があるからこその問題ですね。

④PR活動

撮影も終わり、編集も終わり、いよいよ公開へのカウントダウンが始まります。テレビ、雑誌、ラジオ、などあらゆる媒体を駆使して映画を宣伝します。ここでいかに興味を持たせるかが初日の動員数、ひいてはその後の話題性につながっていきます。

【ジャニーズが出ていない映画】

主な媒体は、テレビ誌、映画情報誌、人気バラエティ番組でしょうか。おしゃべりが上手な俳優はいいですけど、苦手な俳優さんにとってはなかなか大変な期間だと思います。バラエティなんて映画の告知ができるのは番組の最後の数秒間だけですから。他はずっとVTRを見て笑ってる顔がワイプに映っているぐらい。

【ジャニーズが出ている映画】

ジャニーズであることの強みが一番出るのがPR活動。まずは雑誌から。今やほとんどのテレビ誌がジャニーズを大きく扱っていますし、連載もやっています。映画情報誌は高いですが、ファンはいい写真のためならお金を出すことを惜しみません。つまり、ジャニーズにはすでに一定数買う人がいるわけですから、雑誌側も収益を見込んで表紙にしたり、大特集を組んだりして、映画の製作側との相乗効果が期待できるわけです。

次にテレビ。人気バラエティ番組に加えて、グループにもよりますけど、ジャニーズのグループはどのグループも1つは自分の冠番組があります。そこで宣伝するのはもちろんのこと、他のグループの冠番組で宣伝することによって、他のグループのファンの方にもちゃんと告知ができるようになります。つまり、ジャニーズという会社単位で宣伝ができるわけです。

最後にラジオ。ここが俳優さんとは大きく違う点です。自分のラジオを持っている俳優なら問題ないですが、映画の宣伝のためにラジオに出るということはあまり馴染みがありません(単に私の把握不足かもしれませんが)。しかし、ジャニーズのグループは、メンバーの誰かは必ずと言っていいほどラジオの持ち番組があります。例えその番組が映画に出る本人ではなくても、他のメンバーが映画の宣伝をしてくれます。実際に他のメンバーのラジオに宣伝しに行くこともありますし、同じグループじゃなくても仲がいい人のラジオに宣伝をしにいくということもあります(Jr.時代仲がよかったとか)。

このように、ジャニーズの発信力とはすごいもので、ありとあらゆる媒体につながりがあります。さらに言うならそれらのすべてに一定数の需要があります。ここに、ジャニーズを起用する強みがあると言ってもいいでしょう。

⑤公開

さぁ、撮影から1年、オファーから数えると3〜4年かかる映画も珍しくありません。たくさんのPR活動を経ていよいよ公開です。

【ジャニーズが出ていない映画】

作品の話題性とPR活動の成果によって初日の動員数が変わります。初日の舞台挨拶はきっと俳優さんのファンの方で埋め尽くされているはず。2日目以降は本当に作品のクオリティーが集客数を左右します。

【ジャニーズが出ている映画】

今度はオタクが本領発揮する番です。初日の動員数はもう確保されたも同然です。前売りが発売したその日から、前売りについている特典を求めて値段も見ずに買います(いわゆるムビチケとか言うやつですね)。公開3日前の日付が変わる瞬間にはオタクはパソコンの前で正座し、日付が変わった瞬間に座席を指定します。舞台挨拶の中継があるからです。この舞台挨拶の中継というのは、文字通り舞台挨拶の模様を全国の映画館へ中継することで、最初の舞台挨拶中継は私の覚えている限りだと、2013年の『プラチナデータ(主演:二宮和也)』だったはずです。それからジャニーズ映画を中心に舞台挨拶中継というものは増えていきました。

ジャニーズが、というよりジャニオタが映画業界から求められる理由はそれだけではありません。「私◯◯また見に行ったよー!」「あー私も3回目見に行きたいんだよねー」「◯◯担の私の友達はもう5回見に行ったって」「ほんと?やっぱり担当はすごいわ…」のような会話、ジャニオタならしたことがある人が多いはずです。そう。ジャニオタがすごい理由その2。リピート率。とにかくジャニオタは映画を1回きりで終わりにすることができません。最初の1回は単純にまっさらな状態で。2回目は作品に散りばめられた小ネタを探して。3回目は担当の表情や、雑誌を読んで得た情報を頭に入れて。4回目はそれらを踏まえて俯瞰的に見るために…。ジャニオタのリピート率が多いのはそのためです。単純に内容が面白いから見る、という人もいますが、映画製作が発表された日から頑張ってた撮影期間、そして数々のPR活動を通して作品のへの想いが募り「私の大好きな人が頑張った映画だから見なくちゃいけない」という使命感に駆られてリピートする人が圧倒的に多いと私は思います。そう、ジャニオタの愛によって映画はヒットするのです(偏見)。さらには公開初日と舞台挨拶中継の日が違うとわざわざ2回見ます。ロングランが決まった日や、公開最終日にも行きます。語弊がありますが、作品うんぬんよりも「大好きな人が出ているから」たったそれだけの理由で、ジャニオタは何度も何度も映画館に足を運ぶのです。

⑥DVD発売

映画は公開して終わりではありません。メイキングやオーディオコメンタリーを収録したDVDが発売されてようやく終わります。DVDはだいたい半年でリリースされます。

【ジャニーズが出ていない映画】

俳優さんのファンや、作品のファン、原作のファンの方々が購入するでしょう。

【ジャニーズが出ている映画】 

担当は必ずと言っていいほど買います。作品がよければ同じグループの他の人のファンも買うでしょう。

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さぁ、長いことダラダラと書いてしまいましたが、私の実体験や周りで起きていることを踏まえると現状はこんな感じだと思います。とにかく、ジャニオタの投資意欲は一般人を遥かに上回っています。雑誌にしてもDVDにしても。映画業界がそこに目をつけるのは当然でしょう。作品のクオリティーに左右されない固定された需要です。それでも大ヒットと呼ばれるにはファンが持つ一定の動員数を超えて、一般の人も巻き込むクラスに持っていかなければなりません。つい数年前までは映画業界は廃れる一方でしたが、最近はレディースデーやファーストデーなどの設置で映画離れにストップをかけようという動きが活発です。舞台挨拶中継もその一環です。また映画産業が活発になって、いろんな映画に挑戦してほしいです。その際には、ぜひジャニーズを。普通の俳優さんが劣っているとかじゃなくて、ジャニーズというかジャニオタがすごいんです。ジャニオタの愛は経済を動かすんです。